外科矯正

外科矯正

外科矯正とは

外科矯正とは

骨格のずれや歪みなどが原因で噛み合わせに乱れがあり、歯を移動させる歯列矯正だけでは改善が難しい場合「矯正治療」と「顎の骨を切除する手術(骨切り術)」を組み合わせて、根本的な改善を図るのが外科矯正です。

外科矯正の対象

外科矯正は顎顔面骨格に著しく異常がある「顎変形症」と診断された方が対象です。 詳しくは下記の外科矯正の対象になる症例で、詳しくご説明しています。

メリット

  • 歯並び・噛み合わせの問題が
    根本的に解決する
  • 食べ物が良く噛めるようになる
  • 発音・滑舌が良くなる
  • 顔全体のバランスが整う

根本的な骨格の問題を手術で解消することで、歯列矯正後の歯並び・噛み合わせが長期的に安定し、他の歯に負担がかからなくなります。

デメリット

  • 全身麻酔による手術を受ける必要がある
  • 10日間前後の入院が必要
  • 日常生活に戻れるまでに時間がかかる
    (術後の腫れ・痛み)

高校生(顎の成長が終わった後)
から対象

高校生(顎の成長が終わった後)から対象

成長期のお子さまの場合、顎の骨の成長をコントロールする治療「Ⅰ期治療」をおこなうことで、抜歯や手術を回避できるケースがあります。 しかし、骨格的な成長を止めることはできないため、成長をみながら外科矯正が必要かみていきます。

そのため、成長が止まる目安(※16~17歳)以降で、顎変形症と診断された場合は、外科的手術を併用した矯正治療(外科矯正)の対象となります。

公的医療保険が適用される

公的医療保険が適用される

当院は、厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして、近畿厚生局長に届け出た「顎口腔機能診断施設(顎診)」です。

一般的に大人の矯正治療は自由診療(自費)ですが、顎変形症などと診断された場合は、手術前後の矯正治療も公的医療保険が適用されます。

歯科口腔外科と連携しながら対応

歯科口腔外科と連携しながら対応

外科矯正には外科的手術が伴うため、当院と歯科口腔外科※が連携しながら、治療計画を立てて外科矯正を進めます。

※入院・手術は、神戸市立医療センター中央市民病院(神戸市中央区)でおこないます。

外科矯正の対象になる症例

外科矯正の対象になる症例

外科矯正の対象となる代表的な症例が「顎変形症(骨格性不正咬合)」です。

顎変形症とは、顎の骨に異常(大きさ・位置・上下左右のバランス)があることで、噛み合わせが悪くなったり、顔に変形(歪み・ねじれ)が生じたりする状態を言います。

主な症例

  • 出っ歯(骨格性上顎前突)
  • 受け口(骨格性下顎前突)
  • 前歯が噛み合わない(骨格性開咬)
  • 顎の歪み(顎偏位)
  • 下顎が小さい(小顎症)

外科的手術で顎の骨を切り、適切な位置に移動させることで、噛み合わせや顔のバランスを根本的に改善します。

外科矯正の流れ

1.初回カウンセリング(当院)

個室のカウンセリングルームで、患者さまのお悩みやご希望などを詳しくお聞きします。 当院の院長は日本顎変形症学会に所属する、矯正を専門におこなう歯科医師です。

所要時間 約1時間

2.精密検査(当院)

口腔内写真、顔貌写真、歯の型採り、噛み合わせ、レントゲン各種(パノラマ・パノラマ4分割・通常バイト・中心位のバイト)およびセファログラム(頭部X線規格写真)、筋電図検査と顎運動測定をおこないます。

必要あれば歯科用CTも撮影します。

3.診断・治療計画の説明(当院)

精密検査の結果をもとに、多角的に分析して診断します。外科矯正は手術を伴うこともあり、約1時間かけて治療計画について丁寧にご説明します。

所要時間 約1時間

4.口腔外科を受診・術式の決定
(口腔外科)

当院と提携している歯科口腔外科※を受診し、診察や検査を受けてください。 外科矯正の術式やメリット、デメリットのご説明があります。

※神戸市立医療センター中央市民病院(神戸市中央区)

5.術前歯列矯正(当院)

矯正装置を装着し、術後の噛み合わせを想定しながら歯を動かします。

術前矯正完了の目処がついたら、口腔外科を受診していただき、具体的な入院・手術の説明を受けてください。

治療期間 1年半~2年
来院頻度 1ヶ月~2ヶ月に1回

6.入院・手術(口腔外科)

入院前検査

入院前に全身麻酔に必要な検査(血液検査・尿検査・胸部レントゲン写真・心電図・顎顔面CTなど)を受け、手術計画や外科的手術に伴うリスクについて詳しい説明を聞きます。

※神戸市立医療センター中央市民病院では、自己血貯血はおこなっていません。

入院・手術

手術前日に入院していただき、専門の麻酔科医の立ち会いのもと全身麻酔で手術を受けます。 お口の中から切開し、骨切り・分離した後、正しく噛み合う位置へと顎の骨を移動させ、骨接合用のプレートやネジなどで固定します。

平均手術時間 上下顎:4時間
下顎のみ:2時間
平均入院期間 10日間前後

術後・退院

手術後、数時間はベッドで安静にしてください。 手術翌日から流動食が開始になり、その後3分粥、5分粥へと移行します。 術後2日目にはシャワーや洗髪も可能です。

術後はお口周りの筋肉が上手く働かず、半開きになりやすいので、ワイヤーに取り付けたフックに顎間ゴムをかけて口を閉じた状態を保ち、上下の顎を正しい位置に誘導させます(術後3ヶ月間)。

7.術後歯列矯正(当院)

手術から1ヶ月~2ヶ月後、顎の骨の位置が安定してきたら、歯並びと噛み合わせの最終調整をおこないます。

治療期間 6ヶ月~2年
来院頻度 1ヶ月~2ヶ月に1回

抜去手術(口腔外科)

手術の際にチタンプレートを使用した場合は、術後7ヶ月~12ヶ月後に、口腔外科で抜去手術を受けてください。

8.保定・経過観察(当院)

術後歯列矯正が完了し、装置の撤去後は、保定装置(リテーナー)を装着して、歯が元の位置へ戻ろうとする「後戻り」を防ぎます。 当院では、上顎は取り外し式のクリアボウまたはクリアリテーナー、下顎は固定式のフィックスリテーナーを使用します。

保定期間 2年~5年
来院頻度 3ヶ月~6ヶ月に1回

よくあるご質問(FAQ)

顎関節症と顎変形症は違いますか?

はい。違います。 顎関節症とは「口を開けづらい」「口を開けると音がする・痛みがある」など、顎関節や周囲の筋肉に痛みや動きの制限が生じる状態のことを言います。 原因は、歯の食いしばりや歯ぎしり、外傷、生活習慣(頬杖をつく・うつ伏せ寝)などが挙げられます。

美容整形(骨切り・骨削り)との違いは?

美容整形では「顎を短くして小顔になりたい」「顎周りをシャープにしたい」など、主に審美(見た目の美しさ)目的でおこないます。費用は自由診療(自費)になります。

一方、外科矯正は正しい噛み合わせを確立することで、咀嚼や発音といった機能を改善することが主な目的になります。 そのため費用は公的な医療保険が適用されます。

見た目に変化はありますか?

手術で顎の骨の位置を調整するため、矯正治療だけの変化と比べると、特に横顔や顎のラインが変わりやすいです。

抜歯は必要ですか?

はい。 必要があれば手術前に、口腔外科で抜歯をおこなう場合もあります。 精密検査の結果をもとに、抜歯が必要かどうかを判断します。

顔に手術の痕は残りますか?

いいえ。 顎の骨を切除する手術(骨切り術)は、お口の中からおこなうため、外見に痕はできません。

術後の腫れはどれくらい続きますか?

顎の骨の移動量・方向によっても違いますが、腫れは1ヶ月程度続きます。 腫れが引いてくると、食事や会話への支障も少なくなります。 患者さまご自身が感じる「むくんだような感覚」は半年ほど続くこともありますが、時間とともに解消されます。

神戸・三宮で外科矯正なら
当院にご相談ください

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外科矯正は根本的に噛み合わせを改善できる一方で、歯列矯正に加えて手術も伴う治療法になります。 だからこそ、治療を始める前に、患者さまにしっかりとご理解・ご納得していただくことが大切だと考えています。

無理に治療をすすめることもしませんので「外科矯正が必要かどうか知りたい」「ほかの矯正歯科の先生の意見を聞いてみたい」という方も、とうぞお気軽にご相談ください。

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