子どもの矯正治療

子どもの矯正治療

不正咬合について

不正咬合について

「子どもの歯並び(受け口、出っ歯など)が気になる」「歯が生えてこない」「園や学校検診で指摘された」「自分が歯並びで苦労したので、子どもに遺伝するのでは…と心配している」など、このようなご相談を受けることは少なくありません。

「親子で似た歯並びになる」ケースはありますが、不正咬合(悪い歯並び)は、決して遺伝だけが理由ではありません。

不正咬合の原因

  • 遺伝的要素
  • 顎の発育の問題
  • 生え変わり時のスペース不足
  • 口呼吸
  • 舌の癖
  • 食生活(よく噛まない)
  • 指しゃぶり
  • 頬杖
  • 寝方(うつ伏せ寝など)

歯並びや噛み合わせの乱れ(不正咬合)は、さまざまな要因によって起こります。 近年の子どもたちは、やわらかい食べ物を食べる機会が多く、しっかり噛む習慣が少なくなっています。

そのため、顎の発達が十分でなく、永久歯が生えてくる時にスペースが足りず、歯が重なって生えてしまう(ガタガタの歯並びになる)ことが増えています。

子どもに多い「歯が生えてこない」

乳歯や永久歯が生えてこない場合、埋伏歯(埋まっている歯)や先天性欠損が疑われます。
この状態は、将来的な歯並びや噛み合わせに大きく影響するため、早めの観察と対応が重要です。

不正咬合の影響

不正咬合は、見た目だけでなく、噛む機能、発音、顔貌の発育にも影響を及ぼします。 そのため、早めの観察と適切な対応がとても大切です。

専門医に相談するタイミング

専門医に相談するタイミング

基本的には、6〜8歳頃、または上下の前歯4本が生え変わったタイミングで、一度ご相談いただくことをおすすめしています。

多くの場合、園や学校の歯科検診で指摘を受けて来院されることが多いですが、「ちょっと気になるな」と感じた時が相談のベストタイミングです。 いつでもお気軽にご相談ください。

受け口は6歳を待たず早めに

受け口は6歳を待たず早めに

専用の装置「歯列矯正用咬合誘導装置(ムーシールド)」を用いることで改善できる場合があります。 そのため、「受け口(反対咬合)」が見られる場合は、できるだけ早めにご相談ください。

治療の開始時期について

治療の開始時期について

治療の開始時期は、不正咬合の程度やお子さまの年齢・成長段階、歯の生え変わりの状態、そして、お子さま自身のやる気などを総合的に判断して決定します。

園や学校の歯科検診で指摘を受けた場合でも、すぐに治療を始める必要があるとは限りません。
まずはお口の成長をしっかり観察し、最も効果的なタイミングで治療をスタートすることが大切です。

子どものやる気も考慮

矯正治療は長期にわたるため、根気が必要になります。 そのため、治療を始める際には親御さんのご希望だけでなく、お子さん自身のモチベーションも考慮する必要があります。

子どものうちに
矯正を始めたほうがよい理由

子どものうちに矯正を始めたほうがよい理由

01. 原因を「自分で意識できる」ようになる

歯並びの乱れの要因となる口呼吸や舌の癖などの悪習癖に対しても、矯正治療の中でアプローチします。

お子さま自身が原因を理解し、意識的に改善へ取り組むことが、将来的な噛み合わせの安定と後戻り防止につながります。

02. 成長期だからこそできる治療がある

成長期にしかできないのが、永久歯がきれいに並ぶスペースを確保する治療(拡大)です。 この時期に治療をすることで、Ⅱ期治療で歯を抜くリスクを減らし、治療期間の短縮にもつながります。

03. 心の成長に良い影響を与える

子どもは親が想像する以上に繊細で、見た目に対して敏感です。 人前で笑えず、発言を控えたり、酷い場合は、学校に行けなくなってしまう可能性もあります。

矯正治療でコンプレックスが改善されると、自信を持って笑顔を見せられるようになり、性格が明るくなったり、人とのコミュニケーションにも積極的になるなど、心の成長にも良い影響を与えます。

04. 将来の横顔がより美しくなる

お子さまの成長を利用して骨格的にアプローチすることで、将来的に調和のとれた美しい横顔を実現します。 適切な時期に矯正を行うことで、外科的矯正(手術)を回避できる可能性が高まります。

歯を抜くか抜かないか

歯を抜くか抜かないか

お子さまの矯正治療(Ⅰ期治療)では、成長途中のあごを上手に活かすことで、永久歯が正しく並ぶスペースを作り、歯を抜かずに治療できるケースが多くあります。

「できるだけ歯を抜きたくない」というのは、お子さまご本人はもちろん、保護者の皆さまにとっても大きな関心ごとです。私たちも、そのお気持ちはしっかりと理解しています。

しかし、すべての症例において「絶対に抜歯しない」と言い切れるわけではありません。歯並びや顎の状態によっては、より良い治療結果のために抜歯が必要になるケースもあります。

抜歯が必要なケース

1.生え変わりが順調でない

グラグラしている乳歯が矯正装置の装着を妨げていたり、生え変わりの時期を過ぎても乳歯が残っていたりする場合には、治療を円滑に進めるために乳歯を抜くことがあります。

2.歯を並べるスペースが足りない

あごの大きさに対して歯が大きいと、永久歯がきれいに並ぶスペースが不足してしまいます。 そのままでは歯並びが大きく乱れるため、必要に応じて抜歯でスペースを確保します。

3.噛み合わせが悪い

上下のあごのバランスが悪く、噛み合わせに大きなズレがあるケースでは、抜歯をおこなわないと理想的な歯並び・噛み合わせがつくれないことがあります。

治療前には、精密な検査と診断をもとに、お子さまにとって最適な治療方針をご提案します。 保護者の方とよく相談した上で、納得して治療を進めていただけるよう心がけていますので、ご安心ください。

子どもの矯正 -Ⅰ期治療とⅡ期治療 –

子どもの矯正治療は、Ⅰ期治療とⅡ期治療の2段階に分けておこないます。

Ⅰ期治療
(顎の成長を利用して土台を整える期間)

Ⅰ期治療(顎の成長を利用して土台を整える期間)

Ⅰ期治療の目的は、顎の成長を利用して、永久歯がきれいに並ぶための十分なスペースを確保することです。

この時期に歯並びの“土台”となる骨格を整えることで、将来的に外科的な矯正治療を回避できる可能性も高まります。 永久歯がすべて生え揃った後は、Ⅱ期治療へと移行します。

Ⅰ期治療で使用する矯正装置

リンガルアーチ

歯の裏側に沿って装着するアーチにスプリング(バネ)を接合し、その弾力を利用して歯を目的の方向へ動かす固定式の装置です。 また、大臼歯の位置を固定したり、拡大後の後戻りを防止したりする目的でも使用されます。

バイオネーター

歯並びだけでなく、お口周りの筋肉の力を利用して顎骨格のバランスを整える機能的矯正装置で、上顎前突や過蓋咬合の症例に用いられることが多いです。 取り外しができるため、装着時間を守ることが大切です。

マイオブレース

マイオブレース

取り外しできる透明なマウスピース型矯正装置で、トレーナーの一種です。顎や歯を適切な位置に誘導しながら、お口回りの筋肉の適正な成長を促します。 口呼吸・指しゃぶり・舌で前歯を押す癖の改善や、顔面骨格の適切な成長も期待できます。

マウスピース型矯正装置
(インビザラインファースト)

マウスピース型矯正装置(インビザラインファースト)

取り外しできる透明なマウスピース型矯正装置です。 1~2週間に一度、新しいマウスピースに交換しながら歯並びを整えていきます。

拡大装置
(拡大床・急速拡大装置)

拡大床
拡大床

顎が小さく歯が並ぶスペースが不足している場合に使用する装置です(取り外し可能)。 顎の横幅(歯列弓)を広げることで、歯がきれいに並ぶスペースを作ります。

急速拡大装置

急速拡大装置は、拡大床と同じく顎の横幅を広げるために用いる装置です。 上顎だけに使用でき、固定式のため取り外しができません。 保護者の方に1日1~2回、装置の中央にあるネジを回していただくことで、上顎を急速に広げていきます。

ツーバイフォー(2×4)

前歯4本と奥歯2本(左右の一番奥の歯)に、ブラケット装置をつけるワイヤー矯正です。

歯列矯正用咬合誘導装置
(ムーシールド)

歯列矯正用咬合誘導装置(ムーシールド)

3歳から使用可能な、受け口(反対咬合)改善装置です。 装着することで、口腔筋の健やかな発達を促し、噛み合わせを正常に導きます。 また下顎の過剰な成長や上顎の発育不足を防ぐ効果も期待できます。

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子どもの矯正の成功には
保護者のご協力が不可欠

子どもの矯正は、まだまだ自己管理が難しい年齢のお子さまが対象です。 「装置の装着時間を守る」「丁寧な歯磨きで汚れを残さない」など、ご家庭での毎日のフォローが大変重要です。

当院では、具体的なお声がけの方法や、歯磨きの補助のコツなど、保護者の方の立場に立ったアドバイスをおこないます。 一つのチームとして治療を進めていきますので、何でもお気軽に相談してください。

Ⅱ期治療
(永久歯がすべて生え揃ってから歯並びを仕上げる期間)

Ⅱ期治療(永久歯がすべて生え揃ってから歯並びを仕上げる期間)

Ⅱ期治療では、ワイヤー矯正やマウスピース矯正を用いて、歯の微調整や噛み合わせを調整します。 最終的に、美しい歯並びと正しい噛み合わせを確立することが目的です。

Ⅰ期治療だけで治療は終わるか

Ⅰ期治療の目的は、正しい歯並びの土台を作ることです。 そのため、Ⅰ期治療だけで歯並びや噛み合わせを完全に整えることは難しく、多くの場合は永久歯の歯並びや噛み合わせを仕上げるⅡ期治療が必要になります。

ただし、Ⅰ期治療で土台作りがうまくいき、永久歯がきれいに並んだ場合で、歯科医師がⅠ期治療で十分と判断したケースでは、Ⅰ期治療だけで完了することもあります。

Ⅱ期治療で使用する矯正装置

ラビアルブラケット
(表側のワイヤー矯正)

ラビアルブラケット(表側のワイヤー矯正)

摩擦が少なく、弱い力で効率的に歯を移動させることができるセルフライゲーションブラケットを採用しています。 審美性にも配慮し、思春期のお子さまにも抵抗なく装着いただける目立ちにくい装置を導入しています。

ワイヤー矯正の詳細を見る

リンガルブラケット
(歯の裏側のワイヤー矯正)

リンガルブラケット(歯の裏側のワイヤー矯正)

歯の裏側にブラケットとワイヤーを取り付けるため、正面からは装置が見えない矯正方法です。 「どうしても装置を目立たせたくない」というお子さまにおすすめですが、他の装置と比べて費用が高くなります。

舌側矯正(裏側)の詳細を見る

マウスピース矯正

マウスピース矯正

透明で目立たないマウスピースなので、審美性に優れています。 取り外しができるため、衛生面にも優れていますが、1日の装着時間を守るなど、自己管理が必要です。

マウスピース矯正の詳細を見る

他の装置を見る +

悪習癖の改善トレーニング

不正咬合は上述した通り、日常の何気ない「悪習癖」が深く関わっています。

  • 舌の癖(舌で前歯を押す など)
  • 口呼吸
  • よく噛まずに食べる食習慣
  • 指しゃぶり
  • 頬杖をつく癖
  • うつ伏せ寝などの寝方

矯正治療によって歯並びや噛み合わせを整えても、これらの原因を改善しないままでは、治療後に後戻りしてしまうリスクが高まります。

そのため、矯正治療と並行して MFT(口腔筋機能療法) やその他のトレーニングを行い、悪習癖を根本から見直していくことが重要です。

MFTとは

唇・舌・頬などの口周りの筋肉をトレーニングすることで、正しい機能や姿勢を身につける治療法です。 口腔筋機能療法とも呼ばれています。

トレーニング内容

正常な舌位の獲得

舌は、上顎に軽く触れている位置が理想です。 トレーニングを通して、正しい舌の位置を習慣づけます。

発音・嚥下などの口腔機能の改善

舌・唇・顎の動きを整えることで、発音や飲み込み(嚥下)がスムーズになり、口腔機能が向上します。

鼻呼吸への移行

口呼吸は、出っ歯や免疫機能の低下の原因となります。 正しい呼吸法を身につけ、鼻呼吸が自然にできるようにします。

その他悪習癖の改善

指しゃぶりや頬杖、よく噛まない食習慣、寝方など、歯並びに悪影響を及ぼす日常のクセを見直していきます。

治療期間・通院頻度

子どもの矯正は、成長や歯の生え変わりに個人差があるため、治療期間はお子さまごとに異なります。

Ⅰ期治療 おおよそ2~4年程度
Ⅱ期治療
(Ⅰ期治療から移行した場合)
おおよそ1~2年程度

通院頻度は1~2ヶ月に1回

通院頻度は1~2ヶ月に1回

装置に不慣れな最初の頃は、1ヶ月に1回の頻度でご来院ください。 取り外し可能な装置(可撤式-かてつしき)の場合は、装置に慣れてきたら2ヶ月に1回になります。

診療時間は30分程度

診療時間は30分程度

1回あたりの診療時間は30分程度です。 お口の中や装置のチェックのほか、定期的にレントゲンや口腔写真を撮影して、顎の成長や治療の進行状況を記録します。

費用・料金表

歯列矯正は、公的医療保険適用外の自費診療となります。 治療内容や装置の種類によって費用は異なりますので、初回カウンセリングで詳しくご説明いたします。

初回相談料 0円
検査診断料 55,000円(税込)
矯正料(Ⅰ期治療)※ 330,000~495,000円(税込)
調整料・口腔管理費 3,300円(税込)/1回

※Ⅱ期治療に移行する場合、成人矯正の矯正料の差額をいただきます。

費用・料金表を見る

よくあるご質問(Q&A)

矯正治療は痛みがありますか?

個人差もありますが、初めて装置をつけると違和感や痛みを感じるでしょう。 口内炎ができることもあるでしょうし、こればかりは慣れしか解決方法はありません。

装置をちゃんとつけられるか心配なのですが…

お子さんのやる気(モチベーション)を考慮して治療を始めます。 子どもの適応力はとても高く、早く慣れるお子さまが多いですが、親御さんのサポートも大切になりますのでご協力ください。

矯正中に日常生活で注意することは?

口呼吸・舌の癖、ほか悪習癖を親子で意識していただくこと、あめやガムなど、虫歯のリスクになる食べ物は避けていただくこと、歯磨きをしっかりおこなうことに注意しましょう。

神戸・三宮で子どもの矯正なら
当院へご相談ください

神戸市中央区にある三宮そう矯正歯科では、日本矯正歯科学会認定医である院長清水が子どもの矯正を担当します。

お子さまの成長に合わせて、専門的な治療で歯並びと噛み合わせを美しく機能的に整えていきます。どうぞお気軽にご相談ください。

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