気になる部分だけ整える
部分矯正とは
部分矯正とは、全ての歯を対象とせず、特定の歯や限られた範囲の歯だけを動かす矯正治療法のことです。 MTM(Minor Tooth Movement)とも呼ばれます。
部分矯正とは、全ての歯を対象とせず、特定の歯や限られた範囲の歯だけを動かす矯正治療法のことです。 MTM(Minor Tooth Movement)とも呼ばれます。

など、目立ちやすい前歯の見た目の改善が主な目的です。

「過去に矯正治療を受けた後、整えた歯並びが元に戻ってしまった」という場合も、軽度であれば部分矯正で再矯正が可能なケースがあります。
当院では「上だけ」「下だけ」というように、どちらか片顎のみの歯列矯正にも対応しています。

補綴物(ほてつぶつ)とは、インプラントや入れ歯、ブリッジ、被せ物など、歯を補う人工物のことです。 歯を失ったり、欠けたりした部分に、補綴物を用いて見た目や機能を回復させる治療のことを、補綴治療と言います。
補綴治療の際、該当の歯やその周囲の歯が倒れていたり、ねじれていたりする状態で、補綴物を被せても安定しません。 また、倒れている歯で補綴物に負荷がかかると破損のリスクも高まります。
部分矯正で歯を正しい位置に動かした後に補綴治療をすることで、補綴物の長期安定を図ります。

虫歯や歯周病、外傷などで歯を失った場合、部分矯正で歯を動かして、失った歯のスペースを閉じるという方法もあります。
部分矯正では限られた範囲だけに矯正装置をつけます。 そのため、歯列全体に矯正装置をつける「全体(全顎)矯正」と比較する場合、次のようなメリットがあります。
前歯だけの部分矯正をワイヤー矯正でおこなう場合、上の歯なら6本(犬歯から犬歯まで)、下の歯なら4~6本に装置をつけます。 一方、全体矯正の場合は、親知らず以外の歯すべてに装置をつけます。
そのため、部分矯正では歯につけた装置が少ない分、ワイヤーの交換や調整の時間が短縮されることで、1回あたりの診療時間(チェアタイム)も短くなります。
動かす歯の本数が少なく、前歯は奥歯よりも動かしやすいため、治療期間も短いです。 歯の動き方や目指すゴールによって、個人差はありますが、軽度の不正咬合であれば、治療期間は6ヶ月~1年半が目安になります。
治療期間が短く(通院回数も少ない)、マウスピース矯正であれば作製する枚数も少なくて済み、全体矯正よりも費用を抑えられます。
前歯だけの部分矯正では、装置をつける範囲が前歯のみなので、痛みや違和感も限定的です。
奥歯には装置をつけないため、食事のときも痛みなく奥歯でしっかり噛むことができ「噛むと痛くて食べられない」というストレスも軽減します。
部分矯正では奥歯の噛み合わせを変えず、気になる部分だけを整えます。 そのため、噛み合わせ全体の改善は難しく、あくまでも「見た目の改善」が主な目的になります。
部分矯正は適応の範囲が限られるため、患者さまが「部分矯正で治して欲しい」と希望しても、お口の状態によっては適応できないケースもあります。
「部分矯正では改善が難しい」「後戻りのリスクが高い」などと判断した場合、全体矯正や手術を組み合わせた外科矯正をご提案することもあります。
部分矯正はすべての症例に適している治療法ではありません。
噛み合わせの悪化や後戻りなどのトラブルが起こるリスクを避けるためにも「奥歯の噛み合わせに問題がない」「骨格的なズレがない」などをしっかりと見極め、部分矯正に適応するかどうかを慎重に判断する必要があります。

当院の矯正治療は、矯正歯科を専門として大学病院で研鑽を重ね、日本矯正歯科学会の認定医を取得した歯科医師が担当します。
矯正治療が一生に一度きりになるよう、初診相談や検査で患者さまのご希望やお口の状態を丁寧に確認し、お一人おひとりに適した治療計画をご提案します。

ワイヤー矯正では、歯の表面にブラケットとワイヤーを装着して歯を動かします。 固定式のため、患者さまの自己管理に左右されず、計画通りに治療を進めることができます。
前歯だけの部分矯正の場合は、上の歯なら6本、下の歯なら4~6本に装置をつけます。 使用するワイヤーを白色(ホワイトワイヤー)への変更も可能ですので、表側矯正でも見た目のストレスを減らすことができます。

患者さまの歯並びに合わせた、目指すゴールまでのマウスピースを作製し、2週間ごとに次の新しいマウスピースに交換することで、歯を少しずつ動かしていきます。
取り外しが可能で、食事や歯磨きも矯正前と同じようにおこなえるため、ストレスが軽減されます。
メーカーごとにさまざまなマウスピース型矯正装置がありますが、当院ではアライン・テクノロジー社のインビザライン・システムを採用しています。 患者さまのお口の状態に合わせて、使用するタイプを選定します。
前歯だけの部分矯正や、軽度の不正咬合、矯正治療後の後戻りで使用します。 作製するマウスピースの枚数に制限(片顎あたり14枚)があります。
中度の不正咬合に適したマウスピース型矯正装置です。 片顎あたり26枚のマウスピースを用いて、歯並びを整えます。
| 治療期間 | 通院回数 |
|---|---|
| 6ヶ月~1年半 | 6~18回前後 |
矯正歯科治療は公的健康保険の適用外の自費診療(自由診療)となります。 部分矯正の費用は、使用する装置の種類や範囲、患者さまの症例などによって異なります。
部分矯正は、歯並びの悪さに悩むすべての方に適した治療法ではありません。 前歯の軽度なデコボコやすきっ歯など、奥歯の噛み合わせに問題がなく、骨格的なズレがない場合に適応できることが多いです。 部分矯正で歯列矯正が可能かどうかは、初診相談や検査で患者さまの歯並びや噛み合わせを確認したうえで判断します。
はい。 たとえばガタガタ歯並び(叢生)の方が、部分矯正によって歯のデコボコや重なりが解消されると、歯磨きがしやすくなります。 食べカスや細菌が歯に溜まりにくくなることで、虫歯や歯周病の予防にもつながります。
部分矯正では気になる部分だけを整えるため、噛み合わせ全体の改善は困難です。 不正咬合は「噛み合わせの悪さ」も原因の一つになります。 そのため、原因が改善されていないと、動かした歯が元の位置に戻ってしまう「後戻り」も起こりやすいです。
部分矯正に限った話ではありませんが、後戻りが起こる原因には「治療後に保定装置(リテーナー)を正しく使わなかった」というケースも多いです。 歯並びを整えた後、後戻りを防ぐ保定装置(リテーナー)の決められた装着時間を守り続けることが大切です。
原則として、部分矯正は医療費控除の対象外となるケースが多いです。 医療費控除の対象となるのは「噛み合わせや咀嚼機能の改善を目的とした治療」の場合です。 部分矯正は主に「見た目の改善」を目的とする審美的治療に該当することが多いため、医療費控除を受けるのは難しいといえます。
詳しくは「費用・料金表」の医療費控除(確定申告)についてもご参考ください。
当院の院長は、日本矯正歯科学会の認定医を取得しており、大学病院や複数の医院で研鑽を経た歯科医師です。
患者さまお一人おひとりの歯並びや噛み合わせを丁寧に確認し、部分矯正が適応できるかを慎重に見極めたうえで、患者さまの「なりたい理想」にあった治療計画をご提案します。