矯正専門で安心のマウスピース矯正を
近年、マウスピース矯正は手軽さや装置の審美性の高さから急速に普及しています。 しかし、その反面、さまざまな問題点も指摘されています。 その背景には、「医療行為」という本来の目的とは異なる、利益追求の構造が関係しています。
一方で、診断力や技術力のある矯正専門医のもとであれば、安全かつ効果的に治療できることも事実です。 正しい知識を持つことで、安心して治療を受けていただけます。
近年、マウスピース矯正は手軽さや装置の審美性の高さから急速に普及しています。 しかし、その反面、さまざまな問題点も指摘されています。 その背景には、「医療行為」という本来の目的とは異なる、利益追求の構造が関係しています。
一方で、診断力や技術力のある矯正専門医のもとであれば、安全かつ効果的に治療できることも事実です。 正しい知識を持つことで、安心して治療を受けていただけます。
歯列矯正は専門性の高い領域ですが、日本では歯科医師免許を持っていれば、診療科目として「矯正歯科」を標榜することが可能です。 つまり、矯正治療に携わるにあたり、一定の知識や臨床経験を必須とする明確な基準がないため、極端に言えば誰でも矯正治療を始めることができるのです。
もちろん、中には卓越した技術と豊富な経験を持つ一般歯科医も多くおられますが、見極めるのがなかなか難しいのが現状です。
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マウスピース矯正を導入する歯科医院が急増したのは、コロナ収束後のことです。 それまで一部の一般歯科でしか取り扱われていなかったものが、前述のように矯正歯科を誰でも標榜できるという制度的背景に加え、コンサルティング会社やメーカー主導の積極的なマーケティング戦略によって、一気に全国へと広がりました。
「口腔内3Dスキャナーでお口の型を採り、データを送るだけでAIが診断・治療計画を立て、マウスピースが届く」――そんな手軽で画期的な仕組みに、多くの歯科医師が飛びつきました。 しかし矯正専門医の多くは、当初からその流れに危惧を抱いていました。
その理由は明白です。AIによる診断や治療計画には、しばしば不備や限界があることを知っていたからです。 私たち矯正医にとって、矯正治療とは「装置が治すものではなく、術者が治すもの」です。
さらに、マウスピース矯正では「装着時間を守る」という患者の自己管理が治療成功の鍵を握ります。 取り外しが容易なぶん、患者依存の側面が強く、思うように治療が進まないケースも少なくありません。
また、マウスピース矯正は、「歯体移動-歯根を動かすこと」が苦手であるため、適応症例の見極めが非常に重要になります。 矯正専門医であれば比較的難易度の高い症例に対応できることに加えて、ワイヤー矯正を基本としているため、治療がうまく進まない場合でもワイヤー矯正でリカバリーが可能ですが、ワイヤー矯正の技術を持たない医院では、マウスピースだけに頼らざるを得ず、結果的に治療中や治療後のトラブルが多発しているのが現状です。
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医科や歯科の広告は、厚生労働省が定める「医療広告ガイドライン」に従う必要があります。 ホームページも広告の一種とみなされるため、私たち歯科医療従事者は、このガイドラインを厳守しなければなりません。
特に、日本矯正歯科学会に所属する認定医・指導医・臨床医、あるいは日本歯科専門医機構の矯正歯科専門医は、学会が独自に定めた医療広告ガイドラインも併せて遵守する義務があります。 これらの基準に違反すれば、資格の取得や更新ができません。
一方で、こうした基準の対象外となる歯科医院では、それぞれが自由に情報発信を行っています。 厚生労働省も「ネットパトロール」と呼ばれる広告監視を行っていますが、現実には追いついていないのが現状です。 そのため、誇張された表現や誤解を招く情報があふれ、事実上“野放し”の状態になっていると言えるでしょう。
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上述の通り、そもそも診断が正確でなければ、治療計画に歪みが生じるのは言うまでもありません。 診断力がないということは、すなわち応用力や修正力を欠くということです。 実際、当院にもマウスピース矯正に関する相談が日々寄せられており、その中には悪化した症例も少なくありません。
さらに、「歯を並べればよい」といった見た目だけに偏った考え方で治療が終えられているケースも散見されます。 長期的な安定を得ることは矯正医にとっても容易ではありませんが、咬合(かみ合わせ)を正しく構築できていない結果、治療後に後戻りが起こり、再矯正を希望される患者が多いのが現実です。 この事実を、多くの方に知っていただきたいと思います。
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非常に残念なことですが、マウスピース矯正をめぐる詐欺も実際に発生しています。 検討されたことのある方なら、一度は耳にしたことがあるかもしれません。
これらの手口には、おおよそ共通した流れがあります。
被害者の中には、「歯列や噛み合わせを崩され、返金も受けられず泣き寝入りした」という方も少なくありません。 もちろん騙す側の行為は言語道断ですが、同時に信頼できる歯科医を見極めるためにも、正しい知識を身につけておくことが大切です。
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ネガティブな話ばかり先行しましたが、診断力・技術力がある矯正医のもとでは、非常に有効な装置であることも確かです。

マウスピースは透明で目立たないため、見た目を気にする方や、人前で話す機会が多い方に選ばれやすい装置です。
取り外しができるため口腔ケアがしやすく、食事制限もほとんどありません。 ただし、装置の装着時間を守ることが治療結果に影響するため自己管理が必要です。 加えて、外食先などで取り外したまま紛失したり、破損したりするリスクがあります。

マウスピース矯正は、歯根ごと動かす「歯体移動」のトルクコントロールが難しく、ワイヤー矯正に比べると不得手です。 一方で、歯を傾けて移動させる「傾斜移動」は得意なため、前歯のスペースを閉じるなど、症例によっては非常に有効な治療方法となります。

ワイヤー矯正で治療を進める中で、動的治療終了間際の仕上げ(ディテイリング)としてマウスピースを用いることがあります。 細かい咬合調整や歯並びの微調整に有効です。

当院のマウスピース矯正では、アライン・テクノロジー社のマウスピース型矯正装置(インビザライン)を使用しています。
乳歯から永久歯への生え替わり時期のお子さまを対象とした、マウスピース型矯正装置です。 小児矯正(Ⅰ期治療)で使用し、顎の大きさを広げながら、永久歯が綺麗に並ぶためのスペースを確保します。
前歯から奥歯までの全体矯正に使用します。 作製するマウスピースの枚数制限がないため、納得できるまで歯並びを綺麗にしたい方に向いています。
中度の不正咬合に適したマウスピース型矯正装置です。 片顎あたり26枚のマウスピースを用いて、歯並びを整えます。
前歯だけの部分矯正や、軽度の不正咬合(ガタガタやすきっ歯など)、矯正治療後の後戻りで使用します。 作製するマウスピースの枚数に制限(片顎あたり14枚)があります。
精密検査を行います。 検査内容は、各種パノラマレントゲン(パノラマ・パノラマ4分割・通常バイト・中心位のバイト)、頭部X線規格写真(セファロ)、口腔内3Dスキャナーによる歯型採りなどです。 これらのデータをもとに、院長が3D上で治療計画を作成します。
治療ゴールが決まると、現在の歯並びからゴールの歯並びになるよう、少しずつ形を変えたマウスピースが作製され、医院に届きます。
歯にトルクをかけるため、必要に応じてアタッチメントを装着します。 治療段階に応じて1~2週間ごとにマウスピースを付け替えることで、歯に適切な矯正力(圧力)がかかり、少しずつ歯が動いていきます。
すべての段階で歯を移動させた後、動的治療は終了です。 その後は保定期間に入り、後戻りを防ぎながら歯並びを安定させます。
マウスピース矯正の治療期間は、お一人ずつの症例や使用するマウスピース型矯正装置のタイプなどによって変動します。
| 治療期間 | 通院回数 | |
|---|---|---|
| 軽度な 不正咬合 |
約6~12ヶ月 | 6~12回前後 |
| 中等度〜 難しい症例 |
12〜24ヶ月以上 | 12〜24回前後 |
マウスピース矯正の治療の進め方は「診療の流れ」で詳しくご説明しています。
歯列矯正は、公的医療保険適用外の自費診療となります。 マウスピース矯正の費用は、使用するマウスピース型矯正装置のタイプなどで変わります。 詳しくは下記をご確認ください。
いいえ、不正咬合の程度が大きい場合や、骨格に原因がある場合など、マウスピース矯正が適応しない場合があります。
1日20時間以上の装着が必要です。 基本的には歯磨き、食事以外はずっと装着しているイメージです。 装着時間が足りないと、計画通りに治療が進まない可能性が大きいため、ライフスタイルの確認も必要です。
初めて装着するとき、また新しいマウスピースに取り換えた直後は、きついような違和感・圧迫感がありますが、数日で慣れる方がほとんどです。 ワイヤー矯正に比べると、痛みは比較的少ないという報告があります。
はい、対応しています。 前歯が一本だけねじれている、前歯の隙間など、比較的軽症の不正咬合に適応しますが、ほとんど適応しないのが実情です。 当院では部分矯正にはマウスピース型矯正装置(インビザライン・ライト)を採用しています。
はい、できます。 食事の前には必ず装置を外すため、硬いフランスパンや筋の多い肉、細長い麺類も、いつも通り食べることができます。 食後、マウスピースを装着する前には歯磨きをするなど、お口の中を清潔に保ってください。

神戸市中央区にある三宮そう矯正歯科では、日本矯正歯科学会認定医である院長清水が、これまで経験した多くの知見を糧に、的確な診断と精度の高いマウスピース矯正をおこないます。
マウスピース矯正は「目立たない」「取り外しできる」ことを理由に、希望される患者さまが多い治療法であり、当院では比較的難易度が高い症例でもマウスピース矯正で治療することが可能です。
初診相談で歯並びや噛み合わせの状態を診させていただき、マウスピース矯正が適応できるかどうか判断いたします。 初診相談のご予約は、ネットから受け付けております。